イギリス

イギリスの正式名称は「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)」です。
略はUKです。

イギリスはもともと別々だった四つの国が連合して成立した国です。

この長い名前には今のイギリスが成立するまでの歴史が反映されています。
国旗はその過程が組み込まれて現在の形となっています。
その過程をまとめます。

イギリスの成立までと国旗の変遷

1277年 イングランド国旗正式に採用

1277年イングランド王がウェールズの征服に乗り出し、ウェールズ大公を戦死させます。

その後、1536年にイングランドはウェールズを統合します。
ウェールズの旗は反映されませんでした。

1606年 イングランドとスコットランド同君連合が成立。

スコットランド国王のジェームズ1世がイングランドとスコットランドの国王を兼務することになり、同君連合が成立しました。
この時、イングランドの旗とスコットランドの旗を合わせたデザインの新国旗が誕生しました。
これが初代ユニオン・フラッグです。

その後、1707年にイングランド(ウェールズを含む)とスコットランドが連合協定を結び、グレートブリテン王国(Kingdom of Great Britain) が成立しました。

1801年 グレートブリテン及びアイルランド連合王国成立。

アイルランドの連合参加により、グレートブリテン及びアイルランド連合王国(United Kingdom of Great Britain and Ireland)が成立しました。
この時、ユニオンフラッグにアイルランドを示すアイルランド旗を合わせたデザインの新国旗が誕生しました。
これが現在のユニオン・フラッグです。

アイルランドの旗はもともとはこのデザインではなく、この時にデザイン的な面から創作されたものです。

この旗は「ユニオン・ジャック(The Union Jack)」として多くの人に知られていますが、実は正式な名称ではなく、正式には「The Union Flag(ユニオン・フラッグ)」です。

この旗は左右対称に見えますが、よく見るとアイルランドの赤いバッテンの位置が白地にたいしてずれています。
ですので、旗竿を正しい側につけないと裏表になってしまいます。

イギリスという呼び名

「イギリス」は日本だけでよばれる名称です。
イギリスはイングランドが”なまった”表記なのです。

ヨーロッパ人が日本の歴史に大々的に登場してくるのは、1543年のポルトガル人による鉄砲伝来です。
その後1549年にスペイン人のフランシスコ・ザビエルがキリスト教を伝えにやってきます。
おなじみーー。

イギリス人が初来日したのは1560年、後に三浦按針として日本に定住するウィリアム・アダムスです。

この頃のイギリスは同君連合成立以前で、単独でイングランドでした。

なので、ヨーロッパの人が話すenglandをエゲレスと聞いたのでしょう。
エゲレスがイギリスになったのは江戸時代末期、漢字の「英吉利」をあてるようになったのは幕末といわれています。

以来、日本ではUKはまったく広まらず、イギリス、英国と表記しているのです。